この映画は、2016年のアカデミー賞にノミネートされた作品ですね。

残念ながら受賞にはならなかったようですが、ニューヨーク在住のブロガーさんが勧めていたので、観にいってみました。

お話しは、まあ、LGBTのラブストーリーです。

50年代のアメリカなら、同性カップルなんて許されるものではなかったでしょうが、好きなものは仕方ないじゃありませんか(笑)


映画の冒頭シーンでは、レストランで向かい合ってテーブルに着いているキャロルとテレーズ。

テレーズを見つけ、友人のパーティーへ誘う、男性の友人。


キャロルは「楽しんで来てね」とテレーズの肩に優しく手を触れる。

ボーイフレンドは、「僕の車に乗ってパーティーへ行こう」とテレーズの反対側の肩をポンと叩く。

(さあ、テレーズ、あなたはどちらの道を生きていくの?)と彼女の人生の選択を示唆しているよう。


そんな意味深なシーンから始まるストーリーでした。


わたしには、この映画、昔ながらの悲恋物語と映りました。

ロミオとジュリエットだって、敵同士で許されない恋。

にんぎょ姫だって、 魚と人間だし(?)

身分違い、人種違い、文化の違い、年の差だったりね。

いろいろなパターンの悲恋物語がありますわな。


少し前までは、LGBTなんて世の中ではタブー扱いでしたよね。


昨年、劇団四季の「コーラスライン」を観たときには、ホモだとカミングアウトするダンサーがとても沈んだ表情をして自殺を匂わせていたくらいですから・・・・。


わたしがこの映画を観て感じたことは、世間の価値観なんて、アテにならないということ。

そんな常識という幻想に囚われていたら、自分の真の心を偽って生きていかなくてはならなくなるということ。

しかし、この映画に登場する男性たちの切ない想いが痛々しかったですね。

キャロルの夫、ハージは妻のその志向から別居し、離婚協議中にもかかわらず、なんとか妻を取り戻し普通の夫婦としてやり直そうと必死。

テレーズの恋人、リチャードもあの手この手を使って、結婚に持ち込もうと涙ぐましい努力を重ねる。

キャロル役のケイト・ブランシェットは超ゴージャスで美しい、どこかで見覚えがあるとおもったら、わたしの好きな「エリザベス」という映画でイギリスのエリザベス女王1世を演じた女優さんでした。ロード・オブ・ザ・リングでもエルフの女王「ガラドリエル」を演じていましたっけ。揺れるようなまなざしが魅力的な女優さんです。




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