「鑑定士と顔のない依頼人」という映画を見に行きました。
ミニシアター系の作品ですね。私が入った映画館では、ほぼ満席でしたので、人気のある作品のようです。

ここからは少々ネタバレになりますので、これからご覧になる方は、スルーしてください。

あ らすじは、かんたんに説明してしまうと、並外れた審美眼を持つ美術品鑑定士にしてオークショニアのすてきなオジサマが、なんと女性との付き合いが一切な く、自宅に秘密の収集部屋を設け、無数の物言わぬ美女の肖像画に囲まれて悦に入っている、という人生を過ごしていました。

しかし、その超一流の目を持つにもかかわらず、謎めいた若い女性と恋におち、結果として、彼女はおろか、すべてを失くすというストーリーです。

この映画、私は観ていて、途中から結末がなんとなく予想できたので、「あーぁ、だまされちゃうな、この人。」と思っていましたが、でも彼は、若者のように恋の熱に一喜一憂し、遅まきながら青春を謳歌しているようでした。

ラストシーンでは、彼は抜け殻のようになり、それでも彼女を追い求め、楽しかった日々の思い出を残り火のように、繰り返し夢想しているのでした。

私の感想としては、すべては失ったけれど、生身の女性を愛するという、人としての本来の経験ができてよかったじゃないですか。ってところでしょうか。
映画のつくりとしては、「秘密」「謎」という素材を巧妙に織り交ぜ、引きつける仕上がりだったと思います。

草食系男子が多いらしいですが、恋愛も免疫が必要ですね。つらい思いもするでしょうが、異性と向き合える貴重な体験ですから。

鑑定士と顔のない依頼人 [DVD]
ジェフリー・ラッシュ
Happinet(SB)(D)